地道な治療は結果がでるばい!!
すわ歯科医院です!
今回は当ブログには珍しく、歯科治療のお話です。
前歯の打撲による変色を御存じでしょうか?
歯の打撲により神経(歯髄)が死(壊死し)に、それにより変色していくのです。
この事は、活発なお子さんの乳前歯によく見られるので、皆さんにも割りと知られているのではないでしょうか?
乳歯は永久歯に交換するので、放置してもそれほど問題になることは少ないですが、永久歯は治療しなくてはいけません。
画像の矢印の上は術前の3D画像です。
両側中切歯の根の先(以下根尖)の骨が無くなって穴が開いています。
特に右の骨欠損が大きいですね。
歯髄が壊死し、細菌感染が起こると根尖の炎症を引き起こし骨破壊が起こるのです。
必ずしも痛みを伴わないので厄介なのです。
この患者さんは、三年前に外側の歯肉の違和感を訴えて来院しました。
歯肉を見ると「おでき」のようなものが出来ていました。
これはサイナストラクト(膿の出口)と呼ばれるものです。
某歯科医院での診察では、右中切歯は抜歯、左のは歯根端切除術(1月22日のブログ参照)と言われたそうです。
自分もこの手術を考えたのですが、骨欠損が大きく、根尖を切除する量が多くなる(=根が短くなる)ことが予想され、通常の「感染根管治療」をする事にしました。
これは、歯髄の入っていた管(根管)を洗浄・消毒する治療です。
すると、一週間でサイナストラクトが消失。
2本の歯の根管充填を行い、終了しました。
そして昨日です。
三年前の病巣がどうなったか、CTを撮ってみました。
矢印の下の3D画像がそれです。
まだ完全ではありませんが、ほぼ完治というレベルで骨が再生しています。
欧米では、「病巣の大きな症例では手術をことが多い」ようなことが歯学書に書かれていたのを覚えていますが、非観血的処置でも十分に治ることを改めて体験しました。
感染根管治療というのはとても地道で難しいものですが、これからも丁寧に治療したいと思います。
さて、選挙はお済みですか?
県知事・県議会議員選挙です。
神奈川県民は不幸ですよね。
選ぶ人がいません。
歯科医師会は推す人がいるらしくて、、、
自分は世襲と引退する前職の地盤を引き継ぐ人は信用していません。
したがって、今回は白票です。
2023年04月09日 19:18