セラミック矯正かぁー
すわ歯科医院の諏訪です。
皆さんは「セラミック矯正」をご存知でしょうか?
自分も最近まで知りませんでしたが、どうも「前歯数本を削ってセラミックを被せることで歯の軸や大きさ・色調を審美的に回復すること」らしいです。
おお、それなら自分もやったことあるわ。
ただし、自分がやったケースは、すでに人工歯(冠)が入っている歯や神経がないもの、ひどく審美的に劣る場合です。
何故なら、天然歯を大きく削ることに抵抗があるからです。
歯の寿命が短くなるのは明らかです。
さて、最近、若手女性タレントが自身の上下6本あわせて12本にセラミックを被せたことをツイートしたそうです。
そして、歯クラ(歯科クラスタ)界隈が騒がしくなり、「天然歯を壊すセラミック矯正を有名人が宣伝しないでほしい、一般人が真似をする」や「どうせなら、歯列矯正をして欲しかった」という歯医者の意見が多数ありました。
一方で「個人の自由」「可愛くなったのだからいいじゃないか」という意見も。
どちらかと言えば、自分は後者の意見に近いです。
芸能人は容姿が命であり、歯列矯正中は見た目が??ですし、時間が掛かります。
15年以上前に当院でも「上前歯4本の歯並びを、冠を被せることにより直してほしい」という20代の女性に対し「きれいな歯を削るのはもったいないから、歯列矯正をしたら?」とお断りしました。
1年後位でしょうか、彼女が上前歯歯肉炎を訴え来院しました。
みてみると前歯4本がメタルボンド冠が被さっていて、歯肉炎を起こしていたのです。
東京の美容歯科クリニックで治療し、1本15万円したそうです(当時当院では同じものが6万円)。
歯科医はなるべく歯にフィットした冠を作ろうと努力しますが、それでも境目はあるもの。
天然歯より歯肉炎のリスクが高いです。
それ故に、セラミック矯正は否定はしませんが、リスクとベネフィットとをよく考えて決断していただきたいと思います。
セラミック矯正を売り物にしている医院のホームページを拝見しましたが、院長先生自身も施術されているようで歯が真っ白。
身をもって体験しているところは尊敬します。
画像は自分の前歯ですが、年相応で満足しています。
きったねーけどね。
左右奥歯に金歯がピカッと光っていますね。ピッカピッカー。
ちなみに中央から2番目のは左右二本は人工の歯(ジルコニア)です。
2022年10月16日 20:10