PHASと歯磨剤のフッ化物は似て非なるものやで~~
すわ歯科医院院長の諏訪です。
日課としてTwitterを閲覧する機会があるのですが、昨日気になるツィートがありました。
それは、今しばしば問題視されている「水のPFAS(有機フッ素化合物)汚染」関連の国会審議についての引用ツィートでした。
それはこうです。
「フッ素が良いものだと信じている人が多い。歯科医師や衛生士もフッ素が身体に悪影響があるなんて思っていない。しかも、フッ素入りの歯磨剤を置いている歯科医師がいる。」と、、、
あー、なんでこうなるの😢
こういう無責任な発言には本当に困ってしまいます。
よく調べてからツィートして頂きたいです。
PFAS(ピーファス)は4730種を超える
有機フッ素化合物
の総称です。
一例をあげるとフライパンのコーティング材として使われています。
このPFASは自然界では分解しにくく水に蓄積する事がわかり、これが人体に様々な悪影響を及ぼすことが問題となっているのです。
対して、歯科のむし歯予防として使われている「フッ素」は
無機フッ素化合物
です。
以下に両者の比較を載せておきます(日本小児歯科学会のHPより)。
PFAS
(一般名) パーフルオロアルキル化合物、ポリフルオロアルキル化合物及びこれらの塩類など
(用途) 界面活性剤、フライパンのコーティング、泡消火剤、金属メッキ処理剤や工業用シーリング剤、研磨剤
(人体への影響) 発がん性、肝臓、甲状腺障害、ワクチンによる免疫効果の低下など
(自然界での性状) ほとんど分解されない、土壌・水質汚染の原因になる
歯科のフッ素(フッ化物)
(一般名) フッ化ナトリウム、フッ化第一スズなど
(用途) 歯磨剤、歯科医院でのフッ化物塗布
(人体への影響) 適量摂取ではむし歯予防、骨折・骨粗鬆症の予防。過剰摂取急性では悪心、嘔吐、慢性では骨フッ素症、歯のフッ素症など。
(自然界での性状) 無機フッ素化合物やフッ化物イオンとして自然界に存在。有害性はない。
フッ素化合物(PFAS)で健康被害→歯科のフッ化物は危険と短絡的にSNSで発信してしまうのはいかがなものでしょうか?
むし歯予防に「歯科医院でのフッ化物塗布」と「家庭でのフッ素配合歯磨剤によるブラッシング」はほぼ全年齢で有益です。
デマに惑わされる事なく、WHOや小児歯科学会などの公的機関のステートメント・ガイドラインを閲覧されることをオススメします。
2023年06月27日 21:38